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チラムネ6巻・ネタバレ感想【夕暮れの湖と優しい空、そして新たな一歩】

チラムネ6巻・ネタバレ感想【夕暮れの湖と優しい空、そして新たな一歩】

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大丈夫だいじょうぶ

著:裕夢/イラスト:raemz
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みなさんこんにちは。今回は『千歳くんはラムネ瓶のなか6』です。

6巻は5巻と完全に繋がっている話であり、第五章から始まります。

そして注目すべきはその分厚さ!
600ページ程度という、ラノベの中でもかなり珍しい分量で、大ボリュームの巻となります。

表紙は優空で、今まで内面が語られて来なかった彼女がついにメインとなります。

ネタバレ注意!

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一人称で語られる、ヒロインたちの想い

前回は朔視点のみで終わった告白シーン。
今回の冒頭では各ヒロイン+健太の内面が語られます。
チラムネは語り手が頻繁に変わるのがポイントですね。しかし、やはり優空視点だけがない…。

「私、認めてる相手には尽くすほうなの」:七瀬悠月

かつてこう語っていた悠月。
どうやらこの言葉は嘘ではなかったようで、その後のモノローグでは本気で朔に惚れていたことが分かります。

最初は飄々としていた悠月ですが、こんなにも人間的な部分があったなんて…。
小説(特にラブコメ)の中では割と美化されがちが恋心についてはっきり書かれているのもいいですね、むしろ好感度は上がるかもしれません。

恋とスポーツの違い:青海陽

一方の陽は、そもそも同じ土俵に立っていたかも怪しいことに思い悩みます。
また悠月と同様に朔への想いについても書かれており、こちらも本気で朔のことが好きなんだな…と分かります。

そして2人の共通点はそれだけではありません。
夕湖の告白と玉砕を見て自分勝手な思いを抱き、それを自覚して激しく自己嫌悪に陥ってしまいます。

小さくて大きな、たった一学年の差:西野明日風

結局優空は朔の家で晩ごはんを作り、さらには泊まっていくと言います。
優空がお風呂に入っている間、辺りを散歩する朔。

そこに掛かってきたのは明日姉からの電話でした。
異常を察知して何があったのか聞く明日姉に、朔は夕暮れの教室で起こったありのままを話します。
明日姉と話すことで少しだけ救われる朔。

やはり個人的メインヒロインは明日姉…。

電話を切った後、明日姉は一学年の差を思って悲しみます。
そして、朔と離れて暮らす、、、、、、覚悟はあっても、離れる、、、覚悟はできていないということに改めて気付きます。
どうなんだろう、もしかしたら朔の方が覚悟決めてたりする?

そしてモノローグの最後の2文がめちゃくちゃグッと来ました。
朔は晩ごはんにオムライスを食べたとは言いましたが、それが優空によるものだと言いませんでした。それを受けて、

「本当は聞きたかった。ねえ、泣いてる君にオムライスを作ってくれたのは誰?」

ぐああああああーーーー(泣)

この後の夕湖のモノローグも含めて、推しがいる方は号泣できそうなシーンです。
俺はもちろん明日姉です!

あと1つ思ったのが、陽の話では明日姉だけでなくみんなの影が薄かったですね。
陽がたった1人で蒴を立ち上がらせた、という印象が強かったわけだ…。
前回の夕湖、今回の明日姉と、朔の復活の裏で複雑な思いを抱えていたことが明らかになりましたね…。

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明かされる優空の物語、一年前の秘密

その夜、朔と優空の2人は夕湖について話します。
その後は優空による回想シーン。ついに優空視点の話来た!

なんと両親の離婚という共通のバックグラウンドを持っていることが明らかになります。
自ら作っていた壁を朔が壊し、徐々に今のような関係になったようです。
そして歩み寄った時の一言がこちら、朔が優空に言ったものです。

「互いに欠けた穴を埋められるような、友達ひとになろうよ。」

5巻の冒頭には○○と書いて「ひと」と読ませるモノローグが多数登場していましたが、今回はその優空バージョンの登場でした!

かなり長めの回想シーンの後は、今の優空に関するモノローグです。
親友である夕湖のことを気にしつつも、朔の隣に居られる状況に満たされてもいる優空。
にしても最近、みんな自分のこと嫌な女だって言っとるな…。

前に進むしかない、みんなと話して覚悟を決める朔。

何をしていても、何もしていなくても時は進んで行きます。
優空以外の人が朔を放っておくはずもなく、ヒロインたち、そして和希と健太が背中を押してくれます。

お盆といえば、君と過ごした夏だった。

僕は明日姉推しなので、明日姉の話だけ多めに書いていきます笑。

夏休みも後半に突入する頃、明日姉からの誘いで祖母の元へ行く朔&明日姉。
初恋の思い出の地です。
流石に今はラブコメ的な空気にはなりにくいですが、一瞬そうなる場面も…。

小さい頃に出会った初恋の人と高校生になって再会って、やはり明日姉はメインヒロイン…だといいな。
祖母との話では「両方が手放さない限り、縁は消えない」という話が登場します。
これは今の朔に刺さる話ですが、将来の朔と明日姉を暗示しているのではないか?という不安もあります。

そして最後。
明日姉は、夕湖から告白された話の中に朔の気持ちがないことを指摘します。
結局「他の女の子」が誰なのかとか、そういう話が一切語られていませんね…。

朔はその辺を隠そうとしていたようですが、明日姉にはお見通しです。
最近はポンコツなところや恋する乙女的な部分が前面に出ていた明日姉ですが、やっぱりこういうとこは謎めいたお姉さんって感じです!

朔の元へ来る仲間たち

悠月はご飯を作りに来てくれて、は亜十夢くんを連れて来て野球と、各々にできる方法で朔を慰めようとします。
ヒロインたちとの会話との後には、ヒロインたちのモノローグが一瞬入るのも面白いです、ってか切なくなります。

しかし、朔にとっての決定打となったのはそれらではありません。
なんと1巻で朔に救われた、健太でした。
全てを諦めたような朔と和希の会話を聞いて、かつて言われた「相互理解」という言葉で朔を叱ります!

この展開は本当にいいですね!
主人公に救われた人が、今度は同じ言葉で主人公を救う。王道であるからこそ熱い展開です!

海人、お前いいやつ過ぎるんだよ………

一方の夕湖と海人、2人はその後朔と話していません。
そして、、、夕湖の自分だけ振られちゃったという言葉に対して、海人も夕湖に告白します。
これで振られたのは1人だけじゃないと言う海人。

お前ってやつは、なんていい漢なんだ…

海人がいいやつ過ぎて、うがああーーーーって言いたくなります笑。

ラムネ瓶を片手にクライマックスへ。

健太っちーの言葉で前を向く決意をした朔。このタイミングで優空から夏祭りに行ってほしいと頼まれます。
福井ってお祭り多いんですかね?なんかいっつもお祭り行ってる気がするんですけど笑。

ラムネを3本買った優空に違和感を抱いていたら…やはりここで、夕湖が登場します。

朔が覚悟を決めると、いつも状況はワンテンポ早く動いています。
ここはかなり長めのエピソードとなっているので、ぜひ読んで感動して頂きたいところです。

夕湖と朔の、告白と返事の理由

朔に告白したものの、断られることは予想していた夕湖。
ではなぜ告白したのか?という点ですね。
告白されたシーンでも朔はなぜ今なのか、と考えていました。

この理由は自分のためではなく、朔のためだったのです…。
柊夕湖という存在がいることで朔のことを縛っていると考えた夕湖は、それをリセットしようとしました。

みんな根っこの所で利他的な人ばっかりだよな…

そして一方の朔です。
心の中に他の女の子がいる、という煮え切らない言葉の背後には、自分の恋というものが分かっていないという問題があります。
今まで多くの人に好意を寄せられ、裏切られるようなことも多かった朔。
悠月に話した初恋話(明日姉のことだけどね!)のシーンでも、その後は誰のことも好きになっていなさそうやなーとは思いました。

朔ヒロインズに対する感情のどれが恋なのか、分からないと言う朔。
○ゼロとかお○まけでも聞いたような話ですが、理由がリア充過ぎる…笑。

最近はラブコメっぽい話が多くて忘れがちでしたが、スクールカーストトップ集団の物語だというのが土台にありましたね。
改めてそれを思い出しました。

夕暮れの湖と優しい空

そして最後に優空についても語られ、また一つ関係性が前に進みそうです。
恋心を見つける決意をした朔の前に、またまた強力ヒロインが笑。

お祭りには優空が仲間たちと明日姉を呼んでおり、無事に仲直りって感じです。
こうなることはなんとなく分かっていましたが、それでも安心しました!

そして最後のシーン、これはセンチメンタルで別れを暗示するような5巻と対比されていました。

5巻の花火大会ラストは

「また、来年」
誰かがそっと、線香花火みたいにつぶやいた。

でしたが、6巻ラストは

「また、来年」誰かがそっとつぶやいて。
——頷くように、線香花火がぽとりと落ちた。

まだ別れには早い、そんな気がする最後です!

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朔と夕湖、そして優空の5、6巻!

ついにチラムネシリーズも前半が終了、折り返しとなるようです。

え、もう折り返し?
やめてくれよ、告白された時の朔並みに現実を直視できないんですが…

でもまあ、確かにここまでで全ての謎が明かされた感はありますね。
残っている要素は、夕湖の母に似ている朔の親戚くらい?
後半ではそこに関しても語られそうな気がします。

大丈夫だいじょうぶ

この言葉は1巻の一番最初に出て来た優空の台詞ですが、それがここでキーフレーズになるとは思いもしません。
相変わらずの巧妙な仕掛けで、詩的な(?)雰囲気があります。

同じことは夕湖と優空の対比にも言えます。5巻と6巻の冒頭は、

  • 夕湖視点で「私のトクベツ」
  • 優空視点で「私の普通」

だったのが、

6巻のラストは、

  • 夕湖視点で「あなたのフツウ」
  • 優空視点で「あなたの特別」

ですからね。
こういうの本当に好き。

前半が終了したチラムネシリーズ、新局面へ!

ここまでの6巻で、主要キャラについては語られ尽くししましたね。
ここからは新たなストーリーが始まりそうです。
とりあえず明日姉がメインヒロインになることを願っておきます

チラムネはリア充たちの物語ということで、男子の友人もしっかり登場するのがいいです。
まあ仲間からモテているのは朔だけという現実もありますが…。

今回はこれで終わり、少し先になりそうですが6.5巻も読みます!
それでは最後にこの言葉で終わろうと思います。

月に、太陽に照らされながら。

風に吹かれながら。

夕陽の沈んだ湖が、やがてまた朝陽を映し出すように。

見上げればいつもそこにある、優しい空に、抱かれているように。

著:裕夢/イラスト:raemz
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