チラムネ5巻・ネタバレ感想【始まる青春ラブコメと、ターニングポイント】

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ラブコメ、開始!と思ったら?
多分これがチラムネなんだろうな、と思うストーリー!

著:裕夢/イラスト:raemz
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これはすごい、すごいぞ…。今回は『千歳くんはラムネ瓶のなか5』なわけですが…。もうネタバレ注意ですこれ!

これまでずっとシリアス要素ありありの展開が続いたチラムネシリーズですが、今回はある意味最もシリアスな回となります。
時期は高二の夏休み。色々な終わりを予感させつつも楽しい時を過ごす千歳くんたち。ついに青春ラブコメが始まります!

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各ヒロインたちと千歳くんの関係は。

この5巻の流れとしては、夏休み開始〜花火大会までが1つの流れであり、その後の勉強合宿(兼旅行)がクライマックスとなります。

今回のエピソードはこの2つだけであり、今までとはかなり雰囲気が異なる巻となっています。

夏休みが始まったばかりの千歳くんたち。花火大会までの間に、2〜4巻でメインを張った3人との関係を振り返るようなストーリーが描かれます。

初恋の人:千歳くん×明日姉

ただ話をしているだけでいい。
そう思える
初恋ひとだった。

高校で出会ってからは詩的な会話の多かった千歳くんと明日姉。それはラブコメ的雰囲気になった今も健在で、この2人にしかないものです。

まじで明日姉いいですね、今回はちょこちょこ登場してくれるので嬉しい!
前回は空気だったので、本当に良かったです笑。
ちなみのこれは夏休み初日のデートシーンです。

初日から美少女に誘われてデートですが、リア充はいいですね本当に(久しぶりのリア充ネタ)

まあ、この2人の話だと別れを感じさせるモノローグが多くなってしまうのが悲しいところですが…。

急接近のスポーツ少年少女:千歳くん×陽

どこまでもいっしょに走り続けていたい。
そう思える
相棒ひとだから。

前回での急接近、そして告白。一気に正ヒロインになってもおかしくない活躍を見せた陽です。
今まではあんなにサバサバしていたのに、今回は千歳くんのことを意識しまくりというね笑。
さらに、今回からは夕湖&優空&悠月に混ざって千歳くんへの嫉妬が!!

やっぱり2人は似ている:千歳くん×悠月

誰よりも理解わかり合っていたい。
そう思える男の子/女の子ひとだから。

2巻での諸々が印象的な悠月。見た目の可愛さだとシリーズトップだと思います。
また、千歳くんへのアプローチも(冗談混じりにですが)結構あり、これで意識しない野郎はいません。
一方でライバルの強さに焦りを抱いてもいて…。

どうも他のヒロインと違う:優空

優空と夕湖の2人には決め台詞的なものはありませんでした…。

優空はしょっちゅう千歳くんの家に出入りしており、なんならお風呂上がりの上半身裸も見慣れているレベルのようです。正妻やん…。

ですがここまで具体的な話は一切登場していません
どうも特殊な立ち位置のように感じます。
回想シーンでは千歳くんのことが大嫌いだったという話も登場しますし、何となく他のヒロインと雰囲気が違いますね。

再び表紙を飾る『正妻』:夕湖

夕湖親子とは100満ボルトという謎の家電量販店で出会います。ノジマ的なやつかな?

夕湖の母は、同じガガガ文庫の名作『俺ガイル』に登場するガハママを、さらに強烈にした感じですね。めっちゃ人気そう笑。
ド天然な感じですが、千歳くんに対して夕湖のそばにいて欲しいと言います。
さらに、この言葉自体が千歳くんの迷惑になるかもしれないとも…。

さらにその後は夕湖が千歳くんを好きになったきっかけが語られます。
なんと1年の最初ということで、作中で1年以上の時間が経過しているということですね。

自分のことを変に特別扱いしない千歳くんのヒーローっぷりを好きになった夕湖。
今回はこの夕湖が表紙ということで内面が語られていますが、今までと比べるとゆったりとした巻という印象を受けます。事件起きてないしな。

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センチメンタルでありながら、穏やかに進む時間。海での学校行事編

その後の花火大会では、安定のラムネ瓶登場や一歩間違えたら修羅場と化しそうな展開を挟みつつ、非常に青春らしいストーリーとなります。
男女4人ずつでの花火大会というのは、チラムネらしいですね。今までのラブコメ主人公って友達少ないもん…。

途中で明日姉から浴衣写真が送られて来て思わず口元が緩む千歳くんには、こっちの口元まで緩みましたねえ、はい。
結局みんなにバレて安定のハーレム主人公ムーブになるわけですが…。

美少女だらけのお祭りで、憧れの先輩かつ初恋の人の浴衣自撮りににやけちゃいますか。
リア充は(以下略)

冷めている和希ですらセンチメンタルになりながら、最後の花火が上がります。
そして始まる勉強合宿(兼旅行)、やはり泊まりの行事というのは特別です。

ド定番、みんなの好きな人は??

修学旅行とかの夜の定番ですね(ただし二次元に限る)。

海人に関しては明らかに夕湖でしょう。
前半では夕湖と話しているシーンもあり、海人を貫通した無邪気な残酷さが紙面を超えて俺にも突き刺さりました…。

そして和希はなんと、千歳ヒロインズの誰かが好きだった、ようです。
その人が恋に落ちた瞬間を見て恋に落ち、そして諦めた、ということです。
海人が出した例え話は陽のエピソードにそっくりでしたが、よく考えたら和樹と海人は部活があって来られなかったんだっけ。

となるとボス猿(2巻参照)と戦った場面か?
なんとなくその後の千歳くんの反応的にも悠月なのかなという気はします。
悠月と話している時にそういう雰囲気がないのは、諦めてしまっているから?

ガールズトークは修羅場かな?と思ったら、なんと夕湖が千歳くんLOVE宣言をしただけで終わってしまいます。
悠月と陽はごまかし、優空は何も言いません。

うあーきっつ!きっつ!

さらにこのシーンでは、夕湖は自分が先に言うと他の人が何も言わない可能性があるということを自覚していますね…。
別に夕湖が性格悪いとかそういう書かれ方じゃないですが。と言うか何なら逆で、性格が良すぎるんだよな…。

ここでも明日姉とイチャコラですか、いいぞもっとやれ。

勉強合宿とは言え某アカデミーのようにハチマキを巻いたりはしません。

色々と自由なので、半日ちょっとくらい2人きりで過ごす千歳くんと明日姉
いや〜最高、3巻以降は明日姉が出てくるだけでテンション上がっちゃいますよ。

並んで勉強している状況で、

「もしも私たちが同級生だったら、こういうこともあったのかな?席替えの前の日には君の隣になりますように、っておまじないしたり」
「それはちょっとかわいすぎて困りますねぇ……」

ハイハイハイハイ、こういうやり取りを求めてた!

その後も千歳くんのためだけに水着を着て、一瞬遊びに来る明日姉
仲間たちの水着姿には割と冗談混じりの反応ばかりだった千歳くんですが、明日姉に対しての反応(モノローグ)は恋愛に直結するようなものばかり。

う〜ん、このトクベツ感がいいものの、あからさま過ぎてフラグのように見えてしまいます…。

もちろん千歳くんといちゃつく時以外は勉強を頑張る明日姉
合格圏内ではあるようですが、必死に参考書に向かう姿には自分の2年前を思い出します。

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激動の幕開け、驚愕のクライマックス『夕暮れの湖』

無事に地元に帰って来たみんなは一旦教室へ
夏休みの教室宿泊行事の帰り夕暮れ、これで何も起こらないはずはなく…。

夕湖は千歳くん、いや、朔に告白します。

まるでいつもの軽口のような雰囲気ですが、誰も冗談で済まそうとしたり茶化したりしません。
朔は夕湖に言われたヒーローのままでいてという言葉を思い出し、誠実に向き合います。

そしてその結果は、はっきりと断るというものでした。

でもその時に言った、心のなかには他の女の子がいるっていうのはどういうなんでしょ。

1人に決めてるの?んん?

まあ、今はそれはいいんだ。朔の選択に怒り、拳を唸らせる海人。
朔だったらしょうがない。2人を応援しよう、そう決めていたところにこれですからね…。

そして教室を後にした朔を追って来たのは優空
4巻での会話を回収し、サックスを吹いてくれます

今回の挿絵はどれも神でしたが、ラストの優空が一番でした…。2ページを使った神絵で、優空が表紙を飾る6巻へと続いて行きます。

ついに始まる青春ラブコメと、始まらなかった青春ラブコメ

さて、ここで5巻までのストーリーを振り返ってみましょう。

  1. テーマは陽陰の対比
    ラブコメ要素は欠片もなく、新鮮さと共にチラムネはラブコメとはちょっと違うのかなと思いました。
  2. テーマは過去のトラウマ。メインは悠月
    ストーカーにトラウマと、とにかくシリアスな回でした。これまた恋愛要素は二の次で、ラブコメとは呼べない話でした。
  3. テーマは進路。メインは明日姉
    明日姉は神。今回はラブコメっぽい展開も多数ありましたが、2人はずっと別れを見ていた回だった印象です。
  4. テーマは部活。メインは
    熱い!めちゃくちゃ熱い回で、作中に登場する相棒という単語がぴったりくるような2人でした。
  5. そして5巻のテーマはついに恋愛。メインは夕湖

ここまでの4巻では明確な問題があり、それに対処するという話でした。しかし、今回はまったく異なります。
恋愛という漠然とはっきりしている感情。ライバルの多さと強力さ、そしてタイムリミットを見て、誰もが心に焦りを抱えていました。

確かに今回は夕湖がメインだったとは思いますが、男子も含めた誰もが重要なキャラでした。
まさに青春ラブコメそのものの展開。
ここまで温存していたかのようなストーリーには心が動かされること請け合いです!

チラムネらしい、全く新しい展開!

主人公がリア充で友達も多い。
この設定からして新しいチラムネですが、今回もやってくれました。

周りから、時には恋のライバルからも正妻と言われ続けた夕湖ですが、結果だけを見ればあっさりと振られてしまいました

これで次の巻で「やっぱり夕湖と付き合う!」なんて展開は締まらないですから、当分覆らないと思った方が良さそうです。

とにかく心が動かされる展開でした………

ラブコメシリーズと言えば、シリーズ後半でヒロインレースで1位となったメインヒロインに主人公が告白してクライマックスへ、というのが王道。

1巻で表紙を飾ったキャラがまた表紙に登場し、その巻で振られるというのはとにかく新しいと思いました。

書くのが怖くなりそうな展開ですよ…。これがチラムネなのか、とまた思いました。

これで夕湖が脱落ってわけではないでしょう、続きに期待です。次回、大ボリュームの『千歳くんはラムネ瓶のなか6』です!

著:裕夢/イラスト:raemz
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