え?は??うっそでしょ?!
(数ページ後)
え??は???うっそでしょ??!!
というわけでこんにちは。たとえ世界の敵となっても愛する人を取り戻す、どうも君塚君彦です。
今回紹介していくのはこちら、探偵はもう、死んでいる。4です!前回のラストでシエスタを生き返らせることを誓った君塚。今回はずばり、世界の敵であるシードとの戦いが描かれます。宇宙から飛来した植物的な存在であるシードとの、最終決戦。果たしてこの戦いの結末は…。
たんもしシリーズのまとめ記事です。基本情報やシリーズ全体を通しての感想もあり。
夏凪と共にロンドンへ旅行!
※ただし遊びではありません。
シードを倒すヒントを得るため、そしてシエスタが生き返る未来を探すため、君塚と夏凪はロンドンへ向かいます。もう一度、上空一万メートルの旅です。
その君塚ですが、残念ながら機内では嫌いと言われてしまいます笑。ドンマイ、君塚…。
今回の旅の目的は上記の2つです。具体的には、
・君塚&シエスタの愛の巣(2巻のアパート)の、鍵付きの引き出しの中身を探る
・『調律者』の一人である、未来が見える『巫女』と会う
ということですね。
斎川も言っていましたが、ラブコメ展開から考えると、君塚と夏凪の距離が縮まった感じでしょうか。
飛行機では嫌いとか言っていましたが、絶対思ってないしな!
嫌いどころか普通に好きでしょ!
割と最初の方から好きだったでしょ!
未来を見る『調律者』 、巫女さん登場
そしてやって来たロンドンで君塚は、『巫女』であるミア・ウィットロックと出会います。世界レベルの危機に関する未来を見ることが出来るミア。生前のシエスタとも交流があったようですね。
ミアに対してシエスタが生き返る未来がないか聞く君塚ですが、運命の改変などはそう簡単に出来るものではないようです。これは望みが立たれたか?と思ったところで起こる爆発。君塚の「巻き込まれ体質」によって事件が発生し、2人はビルから脱出します。
そして明かされる新事実。「巻き込まれ体質」は単なる体質ではなく、一種の特殊能力のようですね。確かに前にヘルも同じようなことを言っていましたが…。
君塚が『特異点』となって、未来を変えることも出来るかもしれないってことらしいです。シンギュラリティ仮説かな?まあ一言で言えばゼノブレイドのシュルクですかね。ビジョン!
いやーなんと言うか、主人公はこうでなくっちゃ、と感じますね。作品で何度も話題になっていた厄介な「巻き込まれ体質」ですが、まさかそれがシエスタ復活に繋がりそうとは…!
異能バトルもの開始の予感
前回のラストで君塚はカメレオンの種を飲んだことで透明化を自在に使えるようになりましたね。今後の話で副作用が出てくるのは嫌ですが…、どうなるのでしょうか?
さらには夏凪もですね。ヘルのマインドコントロールを使えるようになり、最初の「普通の女子高生」というイメージはもうない…。ちなみにこのマインドコントロール、本来は《言霊》という力のようです。
敵も味方も超常の力を操る、異能バトルが始まりそうですね。本当にこの作品は色々なジャンルを合わせているな、というのを強く感じます。そこがいいんだけどね!
いいからついてこい。俺たちの物語のスピードに
この作品のもう一つの特徴は半端ない展開の早さですよね。ここではちょっと考察っぽい事を書きます。
今回の君塚とミアの会話からは、それに対する作者の見解ではないか?という部分を感じ取れます。
「テンポが悪くなる要因は全部すっ飛ばす」という君塚の言葉は、この作品自体に対して言っているようにも取れますね。さらには、
「いいからついてこい。俺たちの物語(せかい)のスピードに」
という自称名言を言ってミアにカッコつける君塚です。ミアには友達いなさそうと言われてしまいますが笑。さらには無計画とまで言われてしまいますが、それに対する君塚の答えは
「最後に行き着くゴールは決めてある。俺はいつか必ず、シエスタを生き返らせる」
こっちの方が100倍名言だわ。
どんなご都合主義にまみれたルートでもその道を進むとも言い、これまた作品自体に関する言葉かな?と思いました。ちょっと失礼かもですが…。
設定的な部分を突っ込むと、ロンドンで君塚たちは英語で話してるのかなーとか思っていました。夏凪は日本人だったわけですが、世界を飛び回っていたヘル、2巻で出て来たアリシアが最初から日本語で喋ってるなら違和感あったのですが…。
テンポが悪くなる要因はすっ飛ばしたということで、気にするのはやめます!
シード襲来:斎川に迫る危機
ってなわけでテンポ良く。ストーリーの感想に戻りましょう。ロンドン組はシエスタの手紙を回収し、かつてのSPES拠点に乗り込み、2人の距離を縮めましたとさ。
上空一万メートルから続いた、コウモリの戦い
で、日本に残った斎川は、コウモリの弟子(的なの)になって左眼のレベルアップに挑戦します。ある程度修行は進んで来ましたが…そこにシードがやって来ます。
コウモリはシードと戦い、決着を付けようとします。そのための秘策は、君塚と夏凪が気付いた弱点、太陽を使う作戦です。シードにダメージを与えることはできましたが、意識を乗っ取られてしまいます。
その後、君塚、夏凪、シャル、そして斎川の4人に看取られたコウモリ。結構好きなキャラでしたが…。不思議とすっきりする最期ではあったと思います。1年前のあの日と同じように軽口を叩きながら、シードを追う4人。最終決戦の行方は…。
今、斎川が取る物は
いやー、一気にクライマックスですね。ラスボスと言えるシードがついに登場。そしてコウモリの過去に関してもしっかりと語られました。
ここで印象的だったのは斎川が躊躇わずに銃を撃ったシーンでしょうか。一度はマイクを持つことを決めた斎川ですが、状況次第では銃を取ることも厭わない、という柔軟な考えを持っています。
斎川が取るものに関しては、銃、君塚と夏凪の手、マイク、と割とフォーカスされていたかなーと思います。ここで銃を取ったことは単純に中学生の発砲以上の意味がありますね。
最終決戦
ここからは割とネタバレになります。ここを読んだ時の反応が冒頭の2行です。
圧倒的な強さを持つシード
4人はシードを追い、廃墟へと突入します。コウモリの死を見届けた後のこのクライマックス感。これは、このままシード倒しちゃう可能性もあるのでは?
そう思っていた時期が僕にもありました。
既に廃墟はシードの支配下にあるため、『種』の力によって触手が至る所から出て来ます。斎川はどこかへ連れ去られ、シャルは廃墟の外へ弾き飛ばされ(大丈夫か?!)君塚も大怪我を負います。
それでも立ち上がる君塚には、確かにこれは主人公ですわ、と思いました。
が、ここで表紙の場面がやって来ます。《言霊》の力を使い、君塚に眠っていてと伝える夏凪
たった一人で、シードに立ち向かいます。
探偵代行、夏凪渚
シエスタのマスケット銃によって触手の直接攻撃を無効化する夏凪。廃墟の物を利用して攻撃を仕掛けてくるシードに対して、驚きの身体能力を発揮します。夏凪すごい!
それでもシードの猛攻は止まらず、自身の遺伝子を組み替えることで、もう一度夏凪を攻撃できるように。大怪我を負ってしまう夏凪ですが、自身に《言霊》の能力を使うことで無理やり体を動かします。
やめてぇ!その能力、死亡フラグしか感じないから!
そしてヘルのサーベルを使い、シードの首を狙いますが…。あと一歩届かず、浅く切り裂いたところで力尽きてしまいます。そのままシードはどこかへ消え去りますが、夏凪はどうなってしまったのか…………。
シードを追う最中の会話は、一年前の君塚&シエスタ&シャルの会話と同じような軽快さでしたが、それすらフラグに見えて来ますね…。
もう一度、旅に出よう
いや最悪と最高が同時に来るとか半端ないストーリーだな…。
ルートXの結末
そして病室で目覚めた君塚。命に別条はなさそうですが、斎川はシードに連れ去られ、シャルはいまだ意識不明でICUの中という最悪に近い状況です。でも、2人に関しては最悪ではありませんね。
病室にいた風靡さんに夏凪について聞く君塚。それに対して「あいつは、探偵だった」と言う風靡さん。ここに関しての僕の感想は冒頭に書いてありますね。
夏凪は、探偵はもう、死んでいる。
探偵の遺産
それから数日、退院した君塚は自宅アパートで無気力に、半分死んだような生活を送っていました。一年前と同じような状況、そこに届いたのは一枚の手紙でした。
ロンドンでこの展開を覚悟した夏凪は、君塚に対する手紙を遺していたのです。いつかシードを倒して欲しいということや君塚への気持ちが書かれている手紙は、ここまでではシリーズ最大の号泣ポイントですね…。
4巻の前半では君塚のことを嫌いと言っていた夏凪ですが、
この手紙では「嫌いなはずが、なかった」と書かれているのにも涙が出ますね…。
そして、ただでは転ばないのが探偵代行、夏凪渚です。窓もドアも閉めていたはずの室内になぜか吹く風。そして、
「ねえ、助手」
「もう一度、仲間を助けに旅に出よう」
これは、、、シエスタ復活?
いやー、今回はとんでもない急展開でしたね。展開が早いのはいつものことではありますが、特に半端ない巻でした!
君塚とシエスタの出会いそのものであり、最初は敵キャラだったコウモリの最期。
そして何より夏凪でしょう。これどうなるの?え?という感じです。シエスタの遺産だった4人のうち、実質残ったのは君塚だけ。
そんな絶望的な状況でしたが、最後に持ち上げて来ましたね!
斎川という仲間を助けるために。そして、名探偵(ルビシエスタ)が生き返ったように、探偵代行(夏凪)を助けるために。
たんもし風に言うなら、目も眩むような物語がもう一度始まります!